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先日撮影した

 投稿者:ペンギンの跳躍  投稿日:2004年 8月 7日(土)10時15分14秒
   ノーベル賞の
小柴さんの科学番組(文化の日
あたりに放送)の「講師プロフィール紹介」
の映像をとるために、
 高橋さんをはじめとするNHKのクルーが
研究所に来た。

 まずは、Journal Clubで、恩蔵がHamptonの
猿のメタ認知の論文を紹介して議論している
風景。
 かものはし関根(注1)が被験者となって
やっている張さんの視覚心理実験をとり、
それから、柳川の神経細胞の自発発火の
シミュレーションを議論している風景を
撮影した。

注1 顔がカモノハシに似ていると言われている。

 おそらく、絵として一番良かったのは、
柳川との議論の風景ではないか。
 自発発火のアニメーションをホワイトボードに
映して、
 そこでsmall world networkの話とか、
発火頻度の周波数分布のレンジなどの話を
議論した。

 というわけで、ぽっくん柳川(注2)
くん、番組&DVDの
メインサブキャラ、決定!?
 
注2 赤塚不二夫の「もーれつア太郎」に
出てくる、「はあ、ぽっくんぽっくん」と言う
「ココロのボス」に似ているので命名 

 ゼミが終わるころ、松浦雅也さん
が来所。
 あることに関する相談。
 相談はすぐに終わり、ペンギン松浦(注3)、
アシスタント小川とともに、五反田の
「遠野物語」へ。

注3 松浦さんは、ゲーム開発者の会議
GDCから、勇気ある開拓者に与えられる
"First Penguin Award"(最初の
ペンギン賞)を受賞している。現在、雑誌に
「ペンギンのすすめ 」という連載を持っている。
第一回のゲストが私だった。
http://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0408/03/news060.html

 ミュージシャンであるペンギン松浦への
リスペクト度が一番高いと思われる小俣と
須藤に前の席をゆずって、私はかものはし関根、
ぽっくん柳川、うるさ型田谷(注4)あたりと
ぐちぐちいろいろ喋っていた。

注4 田谷文彦は、私とブルーバックスの共著
「脳とコンピュータはどう違うか」がある。セミナー
などで、「柳川くん、それは違うだろう!」と
スルドイツッコミをするので、うるさ型と
言われている。

 なぜか、モデル田辺(注5)と、アシスタント
小川が意気投合して、異様な盛り上がりを
見せていたのを、日本酒をぐびぐび飲みながらも、
私は見逃さなかった。

注5 田辺史子は、雑誌のモデルになったことがある。

 芸大のP植田が乱入し、ペンギン松浦と
クリエーター魂について熱く語らって
いたのも、私はしっかり脳裏に焼き付けたのである。

 ところで、松浦雅也はやっぱりエライやつだと
思う。
 定期的に、「ど〜ん」「ど〜ん」としかけの
ネタを持ってくる。
 やはり、人間ちゅうもんは、しかけないとあかん。

 私が最近東京を歩きながらスルドク思っているのは、
やっぱり人間は「創業者」やな、ということである。
 創業といっても、必ずしもリアルな会社を創業
する必要はない。概念の創業でもよい。
 誰もまだ夢にも思わなかったコンセプチュアルな
空間を最初に提示し、それを徐々に形にしていく。
 そういうヒトが、やっぱり一番エライのだ。

 それに、ある意味では、後から来るもんより、
創業者の方が楽である、とさえ言える。
 後から来たもんは、いろいろ勉強せなああかん。
 いろいろ賢くインプットして、クレバーに
振る舞わなくてはならん。
 しかし、創業者は、最初は誰も相手に
してくれない、という悲しさはあるけれども、
何しろ一番最初に踏み込む土地なんだから、
どこに家を建てようと、道路をつくろうと、
自由である。
 そっちの方が気持ちいいんと違いまっか。

 たとえば、フォン・ノイマンの「囚人のジレンマ」
の数理だって、ぜんぜん大したことないじゃん。
でも、その大したことないことを最初に
思いつくのがエライんだよね。
 あとからきたやつらは、やれtit for tatだとか、
やれ記憶がある場合とない場合とか、
だんだんコムズカシイことやりおるけど、
結局フォン・ノイマンが一番エライ、ということは
変わらないからね。

 最初にやる人間は、勇気がいるけれど、
実は面倒なことがあまりなくて簡単かもしれん。
 そう思うことが大切なのと違いますか。
 

芸大の

 投稿者:疾走原始人、その後  投稿日:2004年 8月 6日(金)09時40分31秒
  蓮沼昌宏くん
(ハッシー、鳩を絵を描くのでハトヌマ画伯)
が、「疾走原始人」がスカートを引きずって
まさに今自分の作品を巻き込もうとしている
ところの写真を送ってくれた。



 蓮沼によると、あの後、杉原は
ただふらふらと歩いて戻ってきたようだ。

 やっぱり、「疾走」は終わりの合図だったらしい。

 下の日記にある「杉原との因縁」とは、
芸大の食堂でやった川俣正さんとのCafe Talkに
杉原と池上高志が乱入して、杉原が
川俣さんの最近の作品にいちゃもんをつけて、
メチャクチャになったことを指す。

 写真を送ってくれた
 蓮沼は、今回は旧銀行の建物の前に
人工芝のマットを敷き、そこに本物の
草を植えるというインスタレーションをやっている。
 徐々に人工芝の質感が変わっていく
様子を作品として提示するらしい。

 彼らの展覧会をやっているのはここです。
 皆さん、見に行ってあげてください。
 杉原の屏風も、壊れていなければ、
たぶん
まだ置いてあると思います。

 「濱ロック アート展」
日時 8/1(日)〜7日(土)
時間 8/1   17:00〜22:00
   8/2〜7 11:30〜21:00
会場 BankART1928 馬車道
交通 横浜みなとみらい線「馬車道駅」5番出口
   JR・市営地下鉄「桜木町駅」徒歩5分
   JR・市営地下鉄「関内駅」徒歩7分

http://www.h7.dion.ne.jp/〜bankart/

 

現代はスカだ、

 投稿者:徘徊原始人の疾走  投稿日:2004年 8月 6日(金)08時27分40秒
   と日記に書いていたら、
芸大の杉原信幸から挑戦のメールが来た。

 「横浜でやっている「濱ロック アート展」
で、パフォーマンスをやるから、
茂木さん来てください。
スカじゃないものをお見せしますよ!」
というのである。

 芸大の学生たちの展覧会、いろいろ
教えてくれるのだけど、なかなか行くことが
できない。
 しかし、今回は、因縁のある杉原だし、
「スカじゃないものをお見せする!」
っていうんだから、行こうじゃねえか、
と思って、夜8時半からのパフォーマンスに
行った。

 会場は、昔銀行だったクラッシックな
建物である。

 杉原の前のやつが、イマイチで、
「オモシロクねえなあ」と思っていたら、
いつの間にか終わって、
杉原の番になった。

 いきなり上から
「ウォー! ウォー!」と叫び声が聞こえた。
それで、ばらばらと吹き抜けの二階から
白黒まだらの「檄文」が降ってきた。

 真っ裸で、下半身に黒テープを巻いた
杉原が徘徊原始人のごとく登場し、
二階から垂れ下がっていた大きな白黒まだらの
布を引きずり下ろした。

 その布につつまれて床に転がり、「ウォー!
ウォー!」と叫んだ。
 すっくと坐って、黒テープを取りだし、
長い布を自分の腰にスカートのように巻き始めた。

 それから、布スカートをずりずり引きずり、
会場内を徘徊原始人として動き始めた。
 人々が迫力に押されて逃げ回る。

 徘徊原始人が、会場の隅にあった
屏風仕立ての白黒絵の方に向かって、ぐるりと
回った。

 布スカートが、屏風を巻き込んで倒し、
ずりずりと引きずられていった。

 この時点で、オレは「スゲー!」と思った。
自分の作品を布スカートで巻き込んで倒して
持っていっちまうところがスゲー!
 会場内の他のやつらの作品には手を触れないで、
自分の作品だけぶっこわすところがスゲー!
と思った。

 徘徊原始人杉原は、建物の玄関に上から突き出した
ひさしに上り、まるでシャチのように
坐って「ウォー! ウォー」と叫び、
それから、くるりと下に落ちかかると、
そのまま布スカートを引きずって
外に出ていってしまった。

 外から、「ウォー! ウォー!」と叫ぶ
声が聞こえ、会場の人々があぜんとしつつも
後を追う。

 杉原は、交差点の角に座って、布スカートを
後ろに広げ、行き交う車のヘッドライトに
向かって、「ウォー! ウォー!」と
叫び続けていた。
 タクシーが一台、勘違いして止まった。
 このままだといつか警察が来るんじゃねえか、
と思い始めた頃、
 杉原は布スカートをするりと脱いで、
全裸、黒テープパンツの姿で、夜の
横浜を馬車道とは垂直方向に全力疾走していった。

 後には、夜の横浜が残された。

 いやあ、よくできたパフォーマンスだった。
気合いが入っていた、というだけではなく、
ヴィジュアル的にも美しかった。
 作品を単独で見た時には今ひとつピンと
来なかった屏風や布が、パフォーマンスに
巻き込まれることで生きていた気がする。
 それに、時間の進行がきびきびとムダなく、
よく整っていた。

 あのまま待っていれば杉原はいつか戻って
来たのかもしれないが、もういいや、
と思って立ち去った。
 後で、蓮沼か誰かにあれからどうなったのか
聞くことにしよう。

 徘徊原始人アーティストの誕生を祝おう。

 今朝になって不思議に思うのは、
杉原の前の、台の上でビニルシートに包まれて
内側から
絵を描くパフォーマンスは、
「だらだらしている」「ムダが多い」
「他者の視線をきちんと受け止めていない」
「観客とのなれ合い」「絵に必然性がない」
など、「スカ」だったのだが、
杉原のと較べると、そのスカの方がより「現代的」
な感じがする、ということである。

 きっと、現代の若者に人気が出るのは、
あのスカのアーティストだったりするんじゃないか。
 杉原の友人らしいけど。
 今風の女たちが、パチパチ拍手して、
いい絵だ! などと言っていたし。
 ああいうのが「セカチュー」読んで目をうるうる
させてんだろ。

 私は、ひそかに、会場に戻ってきた
徘徊原始人が、あのビニルシートのスカ絵を
破壊して終わることを期待していたのだが、
 実は徘徊原始人がビニルのスカ絵に
包まれて見えなくなる、というのが
現代にふさわしい終わり方なのかもしれない。

 杉原のは、「現代」というよりは、
むしろ古典的(classic)に見えた。
 これから杉原は苦労するかもしれない。
 一方、スカ絵の若者は、「なんとなくかっこ
いいでしょ。」とマーケットを渡って
いくのかもしれない。

 スカであることが現代における成功の条件である、
というのは、きっと正しい命題なんでしょ。
 オレは知ったこっちゃないけどね。
 

二社合同研修

 投稿者:シマリスくん  投稿日:2004年 8月 5日(木)08時54分4秒
   の二日目は、
午前中、ゲストに北山孝雄さんをお迎えして
話を伺う。
 北山さんは、街造りのプランニングを
されて来た方で、建築家の安藤忠雄さんの
双子の兄弟でもある。

 日本で最初のGo Goクラブ、『無限』を
つくった話から、亀戸、小樽、海老名など
様々な場所の商業施設を設計した話まで、
2時間30分あまりにわたる話は、
山あり谷あり、とても面白かった。
 
 昼食時、北山さんとちょっと話した。
「ハリウッド映画なんてつまらないやん。
昔の日本映画、黒澤とか小津の方がよほど
いいやん」
と北山さん。 
 私が言うんじゃありません、北山さんが
言うんです。
 
 午後、今回の研修を企画したソニー人事の
佐藤さんと話したのも面白かった。

 組織をどうつくるかというのは、とても
面白い問題だなあと思い、いろいろ考えた。

 各プレイヤーがそれぞれの場面でやることが
ほぼ決まっていて、パフォーマンスも数字で
評価しやすい「野球型」組織もあれば、
 各プレイヤーが自発的に状況をつくらなければ
ならず、パフォーマンスが数字で評価しにくい
「サッカー型」組織もある。

 脳はサッカー型組織であるが、
 野球型組織の方が管理しやすいし、可視化
しやすい。

 そこにはいろいろなモンダイがあるはずで、
ビジネス書が売れるはずである。

 研修が終わり、明治神宮の森を
抜けて原宿に移動。
 閉門ぎりぎりであった。

 幻冬舎の大島さんと打ち合わせを
していたら、
 電通の佐々木ブチョーが柳、根本の
両名を連れて現れ、
 やがて増田健史が現れ、
 最後に白洲信哉が現れた。
 
 ベルギービールの店でありました。

 それから、
 増田健史 vs 白洲信哉の
仁義なき戦いが始まった。

 しかし、最後に増田、白洲の二人は意気投合して、
なぜか、「茂木、ふざけんなよ〜、オレたちは
やるぜ〜」と白洲さんにすごまれた。

 そんな、話が違うじゃないか(笑)。
 まあ、しかし、
 私もめげずにがんばりたいと思います。

 剛速球を投げるべく、トレーニングと精進を
続ける所存。

 結局、良いものをつくる、これ以外にありません!
 

8月7日発売の

 投稿者:Public Relations  投稿日:2004年 8月 4日(水)07時05分9秒
  「文學界」9月号に、

茂木健一郎 脳のなかの文学  

第六回 見られることの喜びと哀しみ

が掲載されています。

一部抜粋


 見る/見られるの関係性から、人間は決して
逃れることはできない。老子が無為自然を説く
時にさえ、他者の視線は織り込まれている。が
んじがらめに他者の視線に絡め取られているか
らこそ、キリストのような救世主でさえそれか
らは自由でないからこそ、人は時にそこから逃
れたいと思うのではないか。

 通盛卿の討ち死にを聞いた小宰相は、船の上
に打ち臥して泣く。泣いているうちに、しだい
に物事をはっきりと見るようになる。泣いてい
るうちに、しだいに物事をはっきりと見るよう
になる。もしや夢ではあるまいかというような
さまざまな惑いは、涙とともに流れ去り、自殺
の決意が目覚める。とともに自然が目の前に現
われる、常に在り、しかも彼女の一度も見たこ
ともないような自然が。
(小林秀雄『平家物語』)

 文明の発達とともに、人類は無垢なる自然を
失った。今、テレビ、インターネットを初めと
するデジタル情報のメディアの発達によって、
人類は、いわば歴史的必然として、もう一つの
何かを失おうとしているように見える。
 十字架の上のその人が「神よ、神よ、どうし
て私をお見捨てになったのですか」と叫ぶとき、
それを他者を意識したパフォーマンスと見るか、
それとも絶対者に向けられた訴えと見るか。現
代人は、そのような問いに対して油断し続ける
のだろうか。
 例え、人間を人間たらしめている全てのもの
の起源が見ることと見られることの関係にある
としても、それで終わりにしてはいけない。未
だ人間は人間が何なのかを理解していない。人
間(じんかん)の相対主義を離れて無垢なる眼
で世界を見る時、その見る人自身が世界そのも
のになるかもしれない。
 平家物語の小宰相も、怪我をした子供も、人
間が泣くのは、他者の視線を意識した時である。
人間は泣きながら生まれ、泣きながら死んでい
く。その涙が乾き、命が尽きる時、他者の視線
の向こうから、広大な天然が浮かび上がってく
る。そして、その時になってようやく、私たち
は頼りなく危なげに感じていた他者の視線もま
た、母なる宇宙そのものであったことに気付く
のだろう。


http://www.bunshun.co.jp/mag/bungakukai/index.htm

 

泊まりがけで、

 投稿者:ダッシュ!  投稿日:2004年 8月 4日(水)06時56分7秒
   代々木にいる。
 ソニーと日産自動車の合同研修の
「コーディネーター」としての仕事。

 1時間クオリアと創造性について話して、
その後、5グループの参加者と
変わるがわる「公開討論会」を
した。
 大声でしゃべり続けたので、とても
疲れた。
 
 それにしても、
 自分でもムチャクチャだ!
というくらい、様々なコンテクストを
引き受けている。
 しかし、そのようにしないと
見えて来ないものもあるのだ、
と最近つくづく思うようになった。

 科学というコンテクスト
 文学というコンテクスト
 芸術というコンテクスト
 ビジネスというコンテクスト
 QUALIAというコンテクスト
 真理探究というコンテクスト
 啓蒙というコンテクスト
 世界の中の最も困難な問題というコンテクスト
 難しいことをわかりやすく伝えるというコンテクスト
・・・・
 企業というコンテクスト
 大学というコンテクスト
 個人クリエーターというコンテクスト

 何だかムチャクチャだなあ。
 
 現代は、誰でも、徐々に、複数のコンテクストを
引き受けることが求められるように
なってきているように思う。
 ITの発展がそのような状況変化をつくった。
 
 一つのコンテクストの中だけに安住している
と、 
 化石になってしまうのが現代なのではないか。

 大切なことは、あるコンテクストに入っている
時には、
 不用意に他のコンテクストを持ち込むことは
なく、
 誠心誠意そのコンテクストの中のロジックで
最良のパフォーマンスをすることだ、
と思っている。

 複数のコンテクストの中を行き交う中で、
「スピードと集中力」も大切だなあ、と改めて
思う夏の朝である。
 じいさんのぼけた味を出すのはまだまだ当分
先で良い。
 ティーンエージャーの青年のような気合いと
ダーッと走る集中力を持たなければ、
 複数のコンテクストというのも単なる
お題目になってしまう。

 サッカー日本代表の勝ち方はまたもや
凄かったなあ。
 決勝戦の中国戦、歴史的経緯や反日感情
のようなものを、純粋たるスポーツの感動が
吹っ飛ばしちまう、いよいよそんな奇跡が
起こるんじゃないか、こればかりは判らないが、
そんな可能性にオレはかけるよ!
 

ご連絡

 投稿者:茂木健一郎  投稿日:2004年 8月 3日(火)06時24分43秒
  箆伊くん、なるべく早い時期に一度メールをください。

kenmogi@qualia-manifesto.com
 

剛速球だ!

 投稿者:一球入魂  投稿日:2004年 8月 3日(火)04時46分15秒
  剛速球!

 そんなことを考えながら、東工大の
すずかけ台キャンパスを歩いていた。

 剛速球を投げつづけるような人生を
送りたい、
 もっとすごいスピードボールを
投げられるようにトレーニングし続ける人生で
ありたい、
 なぜだか知らないが、起き抜けにそう思って、
電車に乗っていても、ずっとそう思っていた。
 
 大学院の入試の面接試験というのは、こちらも
緊張する。
 自分のところを志望してくださっている
学生さんとの面接は、とりわけ真剣になる。

 自分の大学院の面接を思い出す。
 若林健之先生を志望して、
他に和田昭充さんと堀田凱樹さんが
いる面接会場に入った私は、
やはり大変緊張していた。

 後から考えると、あれは堀田さんか和田さんの
研究室だったんじゃないか。

 他のことは全て忘れてしまったが、
少年の頃は蝶を採っていました、というと、
和田さんが口の端の方で笑って、
 「それじゃあ、君、ギフチョウとヒメギフチョウの
違いを言って見たまえ!」
と質問した。

 生息地の違いとか、大きさの違いとか、
文様の違いとか、いろいろ答えて
何とか切り抜けたような印象がある。

 わが人生において、ギフチョウとヒメギフチョウは
そのような決定的な役割を果たすことになったの
であった!

 お昼の休憩は、柳川透と天丼を食べる。
 すずかけ台キャンパスに行く度に、駅向こうの
天丼を食べる。
 これが何よりの楽しみである。

 柳川が、small world networkと自分の
某研究テーマの関係の話をして、
これは、ここ数ヶ月柳川から聞いたアイデアの
中では、一番「イケル!」ように思った。
 なるほど、と思った。
 柳川が、次のステップに行けるかもしれない、
と思って、
 天丼がうまかった。

 剛速球の話に戻るけれども、
やはり、速い球を投げるためには、「ため」
が必要だ。
 「ため」というのはなにかと言えば、
一つの問題をずーっとしつこく考え続ける
ということである。

 おそらくオレが今死んだら残る
のは「相互作用同時性」だと思っているけれども、
あれを思いついた時も、理化学研究所に
毎日一時間かけて歩いていて、
その間ずっと意識のことを考えていて、
ある時ふっと頭の中で光が動いている様子が
よぎったのがきっかけだった。

 意識の問題を解くまでは死ねねえ
(って、意識の問題が解けないとすると、
ずうずうしくも不死を願っているようなもんか)。

 とにかく、一球入魂だ! 
 

本日発売の

 投稿者:Public Relations  投稿日:2004年 8月 2日(月)03時25分32秒
 
 
「ヨミウリ・ウィークリー」
(2004年8月15日号)に

連載 茂木健一郎 「脳の中の人生」
第15回
「チョコレートの甘さ」の大きな謎


が掲載されています。

http://info.yomiuri.co.jp/mag/yw/
 

世はまさに

 投稿者:カラスの勝手でしょ。  投稿日:2004年 8月 2日(月)03時22分6秒
   諸仕事山積、
また夜明けにカラスがかあかあ言うのを
聞く生活になってしまった。

 今日は、東京工業大学の大学院の入試の
ため、朝早く出なければならず。
 火曜、水曜と一日中仕事をしなければ
ならず、
 今週は問題山積、歩行困難、向かい風注意である。

 PHPの石井高弘さん、終わったところまで
お送りします。
 このままターミネーターのように
フィニッシュまで行きますのでよろしく。

 夕食は焼き肉にしたので、仕事があるとは
いいながら、ついつい恵比寿ビールにして
しまった。

 ビールを飲んでも仕事ができる、という
のは一つのエライ人生なのではないか、という
思いがよぎったのである。

 昔、中野好夫のことを読んだことがあって、
それが脳裏に残っていたのかもしれない。

 中野は、12時まで学生たちと飲んでいて、
時計が零時を打つと、「諸君、ではこれで失礼」
と言って部屋に帰り、
 それから「ガリバー旅行記」の翻訳の仕事
などにかかったというのだ。

 中野好夫はこうなんだってよ、
と当時のガールフレンドに話したら、
 「そういうのがステキなのよ。」
と言ったので、
 そうか、そういうのがステキなのか、と私は
勝手に思いこんでしまった。
 今となっては昔の話であるが。

 しかし、そうは思ったように行かないもので、
ビールを飲み、酒を飲むと、そのままぐたっと
なって眠ってしまう、という人生を送って
いるのである。

 しかし結局、酒の味というのは、
もう今日は仕事はよろし、これからは談論風発、
月を見上げ、風を感じ、無意識の潮流に
棹さして、あっちへふらふら、こっちへよろよろ、
管理された生産なんていうものからは
オサラバじゃ、というところに
あるのではないか。

 あまり酔っちゃダメよ、一杯だけ、
と思って飲んでもあまりうまくはないと知った。

 今はただ、ミュンヘンで買ったDie Paradiesischen
のチョコレートをつまみながら、コーヒーを
飲んで、
 夜なべ仕事をするだけのことである。

 

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