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朝の定期健康診断から始まって、
ソニーの原岡さん、福嶋さんとの飲み会
(赤坂、「うまや」にて)まで、
ぎっしりミーティング、取材が詰まっていた。
健康診断というのはどうも苦手である。
健康になるどころか、診断されるだけで
病気になるような気がする。
白衣や、消毒された針、というものが
そもそも反生命的な気がする。
その上、
尿をとったり、血を抜かれたり。
あのような、分析的なプロセスそのものが、
生命という有機体の解体を思わせる。
これが、日の当たるバルコニーで、
カウンセラーに、「最近からだの調子は
どうですか?」
「いやあ、酒がうまいですなあ」
「何がお好きですか」
「やはり、ビールですかね」
「あまり、過ぎないようにしてください」
「はい、そうします」
「それでは、そろそろビールでもお出ししましょう」
・・・・
となれば、反生命的な感覚はなくなるのだが。
無菌、分析的という近代医学の文法自体が、
どうも苦手、ということである。
もちろん、サイエンティフィックに行こうと
思えば、そうせざるを得ないことは重々承知している
のだが。
ミーティングとミーティングの合間、必死に
なってプレゼンテーション資料をつくって
いると、柳川透(博士2年)
がいろいろ話しかけてくる。
「茂木さん、やっぱり、アウェイクのデータを
見ると、ツーピークにはなっていないんですよ。
そういうのを見ていると、アリエリらのデータの
有効性がますます疑われてきますねえ」
「やはり、自発発火の機能的意義は、まずは
情報の伝達ということになると思うのですが、
そうするとベネットやランダウアーらの情報熱力学
の議論との関係はどうなるんですかねえ」
私は、「うん、それはね、こういうことだと
思う」とかいろいろ言いながら、手は
プレゼンテーションを作っている。
なにしろ、20分後にはお客さんたちが
来て話さなければならないのだ・・・・
というような綱渡りの生活を続けているけど、
あまりストレスは感じない。
健康診断の問診表には、
「死にたくなることがありますか」
とか、
「うまく考えがまとめられないことがありますか」
とか、いろいろオソロシイことが書いてあるけれども、
今のところそういうことはないので、大丈夫だ。
しかし、相変わらずうまいものが食いたい。
朝の反生命の一撃の余韻を払わんと、福嶋さんが
アレンジしてくださった「うまや」に出かけたが、
ここは市川猿之助がプロデゥースした店なのだった。
尊敬してやまない猿之助は、病に倒れている。
一日も早く、元気な猿之助の「四の切」が見たい。
うまい酒と鶏、楽しい会話のおかげで、
精進落としできた。
人生、やはり楽しくなければならない。
それにしても、
病に倒れた時、衛生上の必要があるとは言え、
反生命の気配に包まれなければならないのは
いかにもやり切れない。
誰か、本気で病院のあの反生命の
文法を変える気の
ある人はいないか。
せめて、気分だけでも、タンポポやヒマワリに
囲まれて気の合う友人たちと語り合っている、
そんなクオリアを与えられれば治癒実績も
明確に変わってくると思うのだが。
P.S.
昨日の日記にご登場の
有田芳生さんのwebpageは、下です。
http://www.web-arita.com/
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