投稿募集! スレッド一覧

スレッド作成 他のスレッドを探す

新着順:6/248 記事一覧表示 | 《前のページ | 次のページ》

僕は、

 投稿者:ダンディーとのひととき  投稿日:2004年 9月25日(土)08時47分55秒
  通報
   一日十数時間練習するピアニスト。。。

 そんな感じで、祝日の一日、キーボードを
叩いていた。
 仕事は翌日にも持ち越されて、
ゼミで私が論文紹介の番だったのに、
 読む時間が全くなくなった。

 パスさせてもらおうと思ったが、
沽券に関わる。
 山手線の十数分間で、ぱーっと『サイエンス』
の利他的行動に関する論文を読み、
遅れてついたゼミで、
さっとポイントを紹介した。

 修士に入ってきた時は、論文紹介の論文を
読むのに、何日もかかったりする。
 それが、次第に早くなってきて、
「プロ級」になると、山手線でぱっと
論文を読んで、それを人に説明できる。

 このたとえ話は、わかりやすいらしく、
なるほど、大学院というのはたとえばそういう
訓練をするところなのですね、と納得してくれる人が
多い。

 英語力も絶対に必要で、関根のように、せっかく
理解能力があっても、論文のコピーに
単語の訳がたくさん書き込んであるようでは
まだまだである。
 
 仕事を終え、
 綱渡りするようなタイトな時間の後で、
筑摩書房の増田健史とゆっくり酒を飲んで
話せると思うと、四谷三丁目の
「無門」(そば屋)に向かう私の口元は
ほころんでいた。

 ダンディー増田は、原稿のことをねちねち
言いつつも、三冊本をくれた。坂口安吾が二冊、
坂部恵が一冊。
 もちろん、執筆の参考に、というわけである。
ありがたい。

 酒をちびちび飲んでいたら、「茂木さんが
『教祖の文学』を読んでどんな感想を持つか
早く知りたいから、ここで読んでください!」
と言う。
 安吾が、小林秀雄のことを愛情をもって
批判した文章である。
 
 読みながらニヤニヤしてしまった。
 おもしろい。
 批判をしていることはしているのだが、
批判の対象として取り上げている事柄が、
いちいち壺にはまっている。これは、確かに、
小林を愛している人にしかできない芸当だ。

 去年、小林秀雄が水道橋のプラットフォームから
墜落して不思議な命を助かったという話をきいた。

 美しい「花」がある。「花」の美しさというもの
はない。

 生きている人間なんて仕方のない代物だな。
何を考えているのやら、何を言い出すのやら、
仕出かすのやら、自分の事にせよ、他人事にせよ、
解った例があったのか。鑑賞にも観察にも堪えない。
其処に行くと死んでしまった人間というものは大した
ものだ。何故ああはっきりとしてくるんだろう。
まさに人間の形をしているよ。してみると、生きている
人間とは、人間になりつつある一種の動物かな。

 常に物が見えている。人間が見えている。見えすぎて
いる。どんな思想も意見も彼を動かすに足りぬ。
そして、見て、書いただけだ。それが
徒然草という空前絶後の批評家の作品なのだと
小林は言う。

 もうやめるが、安吾が噛みついている
小林の文章、エピソードの引用の仕方はまさに
壺にはまり、愛に満ちている。
 世の中には、
 こんなおもしろい文章があるんだな。
 ダンディー、ありがとう。
 講談社文芸文庫に入っています。

 焼酎のオンザロックを飲みながら
 ダンディーが言っていた、福田和也が
柄谷行人と小林秀雄の類似点から出発しつつ、
最後はその相違点を指摘したという文章を
そのうち是非読んでみたい。
 
》記事一覧表示

新着順:6/248 《前のページ | 次のページ》
/248